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小さくガッツポーズ

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 二子山で行われたクライミングに参加した。9名の参加者の内、初心者は2名、外岩は初めてという会員外の若い男性が参加されていた。

私達朝出発組が大宮を出て、前日夜出発しているリーダー達に連絡すると、もうすでに二子山に到着して、準備を始めているとの事。リーダーの意欲や意気込みを感じて、私も頑張ろうと思う。

到着すると流動分散、懸垂下降の準備がされている。今日の私達初心者の訓練内容は、流動分散の仕組みの理解、懸垂下降時の自己確保、懸垂時の仮固定、その後再度懸垂、登り返しの復習、ビレーの練習であった。

一つ一つ確実に行うことが仲間や自分の安全につながることなので、緊張しながらも、冷静に行うように心がけた。

懸垂時の仮固定は片手で確保器とロープをしっかり握り、片方の手でロープを手繰り上げて操作する。

今日は足場が良いが、足場の悪い場面も想像しながら慎重に行った。仮固定を解く時も慎重さが必要である。懸垂して下りて来た時はほっとした。その場で登り返しの復習を行う。

その後場所を移動し、「話がピーマン」というとぼけた名前の付いた岩場でクライミングを行った。若い男性の登りは、みごとで見とれてしまった。クライミングにはどのような身体的な要素が必要かを見せつけられた。筋力、柔軟性、脚力、バネ、バランス、どれも遠い昔に失ったものばかりで気落ちしてしまう。

しかし、登りの途中、雨が降り出したにも関わらず必死に登るSさんの姿を見て、私も挑戦してみようと勇気を出す。やはり難しい所ではすぐあきらめ、ロープを伝って登りどうにか終了点まで登ることができた。下からは見えないので、小さくガッツポーズ。

最後はビレーの練習をする。急に落下したリーダーを確保する練習である。体重差があると浮き上がってしまい、いつも怖い思いをするので、緊張したが、仲間のアドヴァイスや掛け声でどうにか無事終了する。

完璧というわけにはいかず、まだまだ経験不足で練習が必要である。

ここ二、三か月のジムでの練習や外岩での練習でクライミングにどうにか慣れてきたところである。

今回のような目的をもった訓練は、初心者にとって技術的な面ばかりでなく、安全性を重視する考え方や周囲の仲間や環境に対する心構えを植え付けてくれたように思う。

また、気兼ねなくコミュニケーションを取ることが大切であることも実感できた。自立した登山者にほんの数歩近付いただろうか。   

このような機会を頂き、リーダー、サブリーダー、同行した仲間の皆さんに感謝します。大宮労山に入会して良かったなと思っています。    (Mi.S記)