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奥多摩  一ノ瀬川・竜喰谷 
             滝登り、滝登り、滝

会山行で計画するはずだった5月の山菜山行は私の家の都合で実現できなかった。今回はどうにか実施することができ、参加者も9名とよく集まった。9名が一つの集団で行動することは、全員を把握することも難しく、また行動面でも緊張感が欠けていくので、2つの集団に分けて行動することにした。沢初めの沢で、初めての組むメンバーも多く、正直、かなり緊張をしていた。2パーティーにしたが、実際には、着かず離れずという距離を保ちつつ、滝の登坂でザイルが必要なところは合流して登った。

6月16日(日)車3台がそれぞれに丹波村の道の駅に向かい、21時半ごろに全員が合流した。朝が遅くなれば、遡行が遅れるのでできるだけ早めの行動にするために、入山祝いもそこそこに寝袋に潜り込んだ。

6月17日(月)4時半ぐらいから起き出し、ぼちぼち準備を始める。横から差し込む日差しが、周囲の山並みに注いで影を落として、蒼くなり始めた空が、ういういしくまぶしい。先週の雨模様から一転して、我々を歓迎してくれた。遠くから見ている徳さんも喜んでいることだろう。

さて、ニノ瀬でメンバーを下してから、三ノ瀬の民宿に2台の車をデモして石楠花橋に戻って来る。石楠花橋の少し下流、竜喰谷の出合い付近からしっかりした踏み跡を下っていく。釣師が入っているのでトラブらないように注意して入渓するが、釣師は一ノ瀬川に入っているようで、竜喰谷にはいないようでホッとする。出合いからすぐにある4m幅広の滝(精錬場ノ滝というようだが)の右を快適に登って行く。水量は多いようだ。次々に現れる滝がおもしろいように登れて楽しい。12m下駄小屋ノ滝はザイルを出したが快適だ。左脇を登ったところに残地ハーケンがあり、そこからトラバースとなる。核心は10m曲り滝だ。しっかりした残地ハーケンが4本スリングを通しビナをかけていく。カッパのフードを被り、水流の中にあるホールドを探し当てながら登る。確保を交代しながら、次々に登ってくる。さすがに冷える。まだ熱いテルモスのお湯で体を温め出発する。左右から入って来る沢を確認しながら、続く滝を越えていくと苔蒸した源頭に近づく。左から入ってくる沢が、笹に覆われていたので右に入ると、すぐに丸木橋が架かった登山道に出た。登山道に上がると握手を交わし記念撮影。いやー、楽しめた。下山は登山道だが、いろいろな道が入り組んでいてわかりにくい。尾根を回り込んでいくと、車が入れる林道に出る。途中から下っていた道がニノ瀬に下っていける道だったようだ。

 今回は、登坂が中心の沢であったので、登る楽しさが味わえたと思う。しかし、安全に楽しく登るには、的確なザイルワークが課題になっていると感じた。また、3人のメンバーを基本として考え、それぞれのポジションの役割と行動が異なってくることを理解することも大切である。この沢は、登坂練習として、今後も利用するとよいだろう。    (Sh.S記)