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竜喰谷

    新緑きらめく六月の沢

古代の人は川が荒ぶることを、竜に例えた。その竜を喰らうとは、荒ぶることなき女神が住む沢なのか、などと勝手に想像しつつ、「巻道もしっかりしており、初心者でも安心して遡行できる」というところに二重線を引き、参加することにした。

登れない滝の連続

 最初は遅れずについていくことに必死だったが、やっと、新緑やナメ滝の美しさに心ときめき、沢も楽しくなってきた。しかし、滝が現れるたびに、どうやって登るのか、私には無理ではと考えていると、「登るぞ」という声に、また、考える。岩が滑りやすく、ホールドも見つけられず、ザイルやお助け紐でなんとか登る。情けないことに、どの滝も、どうやって登ったのか、まったく思い出せない。最後の滝にうんざりしていると、スーさんが巻道を登っていく。これが、きれいな巻道なのだ。お腹も減った、それに寒い。迷わず登ると、滝の上は暖かな日差し。スーさんの横に座り、ほおばったお握りの美味しかったこと。苦労して登ってきた皆の目が点になっていた。

遡行図が読めない

 大常木林道が1500mの高度で横切っていることさえ理解できていなかった。なぜか、それは地形図と遡行図を組み合わせて考えていないことにあったのではないか。横から注ぐ沢を記入するだけでも、距離感がつかめるのではないか。とくに、下山の尾根筋は1本間違えるだけで、重大事故につながりかねないことから、地形図でのチェックは重要と思う。

多くの仲間に支えられた

 入山祝いの宴会に、Uさんは、お手製の燻製を持参、旨かった。滝の登りでは、どちらの足を置くかの助言もありがたかった。そして、いつ落ちるかわからない、いや実際、落ちた私をビレーしてくれた皆さん、ほんとうにありがとうございました。      (Tu.T記)

竜喰谷感想   大きな沢靴に不安

 今年初めての沢山行沢靴購入したが少し大きく登れるか不安でした。民宿のおばちゃんのところに、車2台をデボしました。1台500円。どこでも止められる所なので高いと思いましたが、下山時お茶とほうれん草のお浸し、カレー粉で漬けた漬物出してくれ、本当に田舎の良いおばちゃんに会えたと思いました。沢は、倒木も少なくきれいな沢。シャワークライミングが多く、まだ少し寒く感じました。待ち時間は、太陽光線を探し休憩していました。難しい滝は曲り滝でしたが、スーさんの華麗な登りで抜けると、後続はトップロープで登りました。下山路も藪漕ぎがなく沢終わり=下山路で疲れが半減しました。その他は巻くことも無く登れたが沢靴が大きいので滝を登っている時スリップ不安でした。
        (Sa.H記)

竜喰谷    いい思いいっぱいの 沢開き

 シーズン初めての沢、楽しんだ。竜喰谷、なんとなく怖そうな名前の沢だが、ナメのきれいな沢だ。出だしから、一ノ瀬本流の徒渉があり、久々の事で少し緊張。でも、なんとか渡りきりホッとする。遡行するうちに、しだいに体が慣れてきて、水の中、岩の上をバランスよく歩けるようになってくると、ぐんと楽しさを増してくる。2段12mの下下駄小屋の滝、この沢一番の大滝。ザイルを付けても登れるのだろうかと不安になる程の迫力だ。滝の下いっぱいに広がる沫を浴びながら、順番を待つ。寒さと緊張から、震えが止まらなかった。おまけに、滝の上部はおもいきりのシャワークライム。袖口から、襟首から、たっぷりの水が服の中に入って来て、下へ押し戻されそうな勢い。メガネも曇ってなんにも見えない。夢中で登った。10mの曲がり滝、岩が光り、いかにも滑りそう。一つひとつの岩が大きく、ホールドが少ない。それでもザイルでガッチリ確保され、仲間のヨシ、ヨシ、OK,OKの声に励まされてなんとか登った。‘ほとんどの滝を、巻かずに頑張って登ったぞ!’の達成感は大きくて嬉しい。藪漕ぎもなく、登山道に出て、皆さんとご苦労さんの握手。その時、ふと徳重さんを思い出した。ピンクのヘルメットにボーダー柄のシャツ、ニコニコ顔の徳重さんと、何度、握手をしただろうか。今日は、今迄教わった事を生かせただろうか。これからも、そんな事を、時々思い出しながら楽しく山へ行きたい。この山行に合わせた様な梅雨の晴れ間。陽を浴びた渓も、緑も本当にきれい、いい思いいっぱいの沢開きだった。     (To.U記)

竜喰谷     二年ぶりの沢登り

 約2年ぶりの沢登りでした。あれやこれや不安な思いで歩きだしました。水をかぶりながらの滝を登り、様々な色彩のナメを歩くうちに無心になっているようでした。これからいろいろな沢登りに向き合いたいと思います!でも実は泳げないんですよね(^-^;本当に楽しかったです。     (Ku.U記)