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雪洞山行と坂戸山・六万騎山

    冬から初夏へと揺れ動く春

県連主催の雪洞山行に参加した。打ち合わせで「掘るのに濡れるので雨具を着用、雪洞の中は零度で暖かい」と説明を受ける。 

4月20日、大宮を出発。八海山の大倉口から登るも1本尾根筋を外し、高度、200mのやぶ漕ぎを強いられる。急斜面の上、濡れた落ち葉でズルズル滑る。647mで支尾根に出る。3合目半あたりで雪洞づくりとなるが、積雪2メートル強、どうなることかと思っていると、雪穴に変更、これが重労働、三郷の26歳のYさんがいなければ、もっと時間がかかったはず。Oさんが棚を作り、ローソクを飾ってくれたが、どう見てもブルーシート小屋以下。乾杯のビールは胃にしみわたり、震えが来た。雪洞は暖かいという言葉を信じたYさんは半シュラフ、眠れぬ夜を過ごしたという。翌日はさらに天候は悪化、雪が降る中、雪穴を崩し下山、里は激しい雨。温泉に入り生き返る。

4日後、早春の妖精、カタクリに会いに行く。六日町の気温は23度。まるで初夏を思わせる陽気。薄着にしたつもりが、やはり4日前の寒さを引きずり、衣類調整に失敗。坂戸山の登りは薬師尾根を一気に登る。汗が噴き出る。八海山と同様にイワウチワ、イワナシが咲いている。

そして、カタクリの群生が。花言葉は「静かなる貴婦人」その美しさに言葉を失う。うつむきがちで、薄紫色の花の花弁は細く、丸美を帯びて反りかえる。空を見上げれば山桜と青空、眼下には魚野川と水を張ったばかりの田んぼが光る。見渡せば八海山、金城山、巻機山、守門岳の雄姿を望む。下山ルートもカタクリの群生が続く。ショウジョウバカマ、様々な色を持つイチゲが咲き乱れ、至福の時。

六万騎山にも登る。カタクリの盛りは過ぎていたがイカリソウが満開。全山カタクリの山だった。克己さんより蝶についてもご講義を受ける。ヒヨドシチョウこれは戦国時代の武将が身に着けた甲冑の「ひよどし」の色に似た、赤い色の羽を、持つことから命名。飛んでいたヒヨドシチョウは越冬のためヒヨドシ部分は喪失。日光浴中で近づいても逃げないが、縄張り意識が強く、テリトリーに侵入したものはスズメバチでも攻撃する。胴体が太いことから、蛾ではないかという問いに、克己さん「フランス語のパピヨンは蝶だけではなく蛾も含む」ウーン、奥が深い。

帰りは同じ温泉に入ったが熱すぎてのぼせた。
冬から初夏へと揺れ動く春を、存分に味わった1週間だった。(Tu.T記)

コシノコバイモ