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奥高尾・要倉山

唯一残された 静かな尾根歩きの道

なぜか、突然、日光白根の山行が中止となっていた。天気は良い。世古さんのハイキングは地図読みだ!おもしろそう、Iさんと急きょ参加を申し出る。さっそくトレッキングマップで地図を出し、尾根筋にマーキングする。問題は取りつき、里山では道迷いすること数知れない。

 落合橋を渡り、すぐ右に見える尾根が要倉山の始まり、この少し先の竹林から登るとある。竹林は一か所、民家のわきから登ると、農作業をしていた男性が「要倉山か」と笑いながら話しかけてきた。山里に住む者は、山は登るためのものではなく、恵みを得る場所。「タケノコを食い荒らすので猪除けの柵がある、避けていけば登れるよ」というので、一気に尾根までよじ登る。

リーダーから、先頭で地図読みをと指示がある。鉄塔まで思いのほか時間がかかった。休憩なしの声掛けにブーイング、このメンバーに逆らえるはずもなく、景色を楽しむことにする。要倉山で昼食、この昼食はリーダーが八王子駅で、「陣馬の栗飯」ならぬ「陣馬の鳥飯」(秋限定のため)を買っておいてくれたもの、ボリュームたっぷり、その気配りに感謝! 

ところどころに赤テープがあり、尾根を外さぬように登る。トラバースルートは一つもない。落ち葉の上にうっすら雪が残る急坂は、踏み跡もなく、滑りやすい。やっと上ったかと思うと、また下りだ。意外とハードで、しかもFさんの嘆き節が、掛け声のようで楽しい。

 高笹山の取りつきは、南東側が伐採され、景色が一変する。北斜面は雪景色。しかし、小さな杉にもしっかり花がつき、今年の花粉はすざましそうだ。山頂は低い笹原が広がり、暖かく春を感じさせる。ここからの下りも樹林帯の中だが、尾根筋を外さないように、慎重に下る。やがて、和田峠に通じる車道に出る。高岩山東尾根の取りつきは、崩れており難しそうだ。リーダーより「技術には個人差がある。このまま下る」と指示がある。40分の車道歩きで、陣馬高原下バス停へ、バスは行ったばかり。もちろん茶屋にてビールで乾杯。誰にも会わないという意味では、静かな尾根歩きだが、とてもにぎやかな山行だった。    (Tu.T記)