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車を叩く音に睡眠を邪魔される。「雨だ!まだ3時!」昨日「天狗原山」を登り「道の駅小谷」で車中泊していた。あまりに強い雨にもう一眠りすることに。

起きると雨も上がり薄すらと陽が射しそうな気配。早く行っても雨上がりのため、ヌカルんでいるだろうとゆっくりと朝食を済ませ道の駅を出発する。

 昨日往復した道を進み、雨飾山の駐車場に着くと既に満車となり駐車の余地が無い、しかたなくUタンして路肩に駐車する事に。バスも路肩に駐車し中から多くの登山者が吐き出されてくる。

雨がまた降り出し雨具を着用しての登山となる、駐車場の奥にある登山口から河川敷らしき湿地帯に下る。登山道には木道が施設され川のせせらぎが心地よい。正面には、昨日登った金山が見えだす。直ぐに急傾斜となり木の根が露出した滑りやすく歩きにくい九十九折れの登山道となる。小半時もすると雨も上がり強い日射しに汗が噴出す。

団体さんが多く「ゆっくりなのでお先にどうぞ」と道を譲っていただき先を行くが、カメラに収める景色に時間を費やし、まるで尺取り虫のように着かず離れずの山行となる。

 休息にちょうど良さそうな広い敷地が現れる。周囲にあるブナの木々や薄緑の葉が美しく、雨の雫が日に反射して眩しいほどだ。ここが「ブナ林」かな。ここには標識があり4/11と記憶している。

団体さんが途切れることなく続いてきては、交互に記念写真を撮り騒がしい。登山者はほとんど関西弁で、関東の会話がなかなか聞こえない。

あの狭い登りをこれだけの人数が押し寄せたら渋滞で難儀しそう!早々に下山すべく双耳峰の北峰に移動する。ここには数体の石仏が設置されている。

ガスもますます濃くなり小雨も混じりだす。やはり狭い急斜面の登山道には多くの登山者が団体になって押し寄せて来る。狭い登山道であり押しのけて下山する事もならず、集団が途切れるのを待つことに。

登ってくる蟻の集団を上から見ていると、ブロックごとの間はかなり開いているが、急登のため登るのが遅い。このため後続がどんどん加わり雪だるま式に大きな集団となってしまう。

暫くするとガスが濃くなり出し、ガレ場に変わる、ガレ場からまた岩場に変わりハシゴを数段登ると笹平に着く。笹平には登山者が多数休息しているのでそのまま通過することにする。東側には金山へと続く稜線がある。やはり金山へ行けそうだが!ガスは一進一退、濃淡を繰り返すはっきりしない天候である。

雨飾山(頸木山塊)新潟・長野県

        蟻の集団に悩まされ

山行実施日;10月7日
参加メンバー;Ry.K

湿地帯に戻り何とか天気が大きく崩れる前に下山できそうでホットする。登山口付近に数人がたむろしている。こんなところでまた渋滞?どうも木の実を取っている小屋の方たちだ。

雨飾荘の温泉は昨日入ったので今日は山田旅館へ。途中にある露天風呂も確認したかったが小雨が降っていたので直接山田温泉へと向かう。温泉はまだ3人程度と空いているのでゆっくりと堪能する事が出来た。温泉成分で出来たベンチに腰掛けるが、丈夫そうである。

洗い場には水道のみで、上がり湯は全て湯船から取るシステムとなっている。もちろん石鹸・シャンプーの類は無い。車に戻る頃には本降の雨となり一路大宮にもどる。

平成24107(日曜日)曇り・晴れ・雨
標高:登山口1152 雨飾山1963 累積標高差1178m 標高差811
累積時間:5時間50分  直線距離:8.9Km 沿面距離9.6m 平均速度:1.5Km/h 
【行程】
 道の駅
4:00/5:40−登山口6:20/6:30・・・荒菅沢出合7:55・・・笹平9:00・・・雨飾山9:20/9:50・・・笹平10:15
 ・・・荒菅沢
11:00/11:15・・・登山口12:20−温泉−大宮 

<登山口から雨飾山   2時間50分 距離:4.4Km 速度:1.55Km/h
<雨飾山から登山口   2時間30分 距離:4.4Km 速度:1.76Km/h

温泉:小谷温泉 山田旅館500円 半透明 室内(10:0015:00

これではきりが無い。しかたなく下山を優先に変えてもらうが急斜面の狭い登山道ではなかなか進むことが出来ない。

やりくりを繰り返して笹平に逃避するが、前方からは途切れることなく登山者が押し寄せる。

これだけの人数が温泉に押し寄せたら……!のんびりしていると蟻の集団に飲み込まれそうで先を急ぐ!梯子が設けられた岩場でも登りの大渋滞、「登りが詰まってもう上がれません!下山者を先に下ろして下さい!」と声を掛けながら下山することに。岩場を過ぎると登山者も多少少なくなりホットする。

荒菅沢出会いに着くと10人程度がくつろいでいる。天候は下り気味の霧雨から曇り。木の根に足元をすくわれない様注意しながら下山を急ぐ。ブナ林を過ぎた急斜面では雨が降り始めるが、雨具を着用するほどではなさそう。ただ赤土のような土壌で、雨が降ると非常に滑りやすく難儀する。

笹平からは平坦な登山道となり、植生保護のロープが張ってある。新潟からの登山道分岐では、新潟県側からも多くの登山者が登ってくる。

 山頂付近から荒菅沢方面を覗きこむと岩峰群の一端を垣間見る事が出来る。雨飾山の最後の急登を俯瞰する急斜面では、ガスがますます濃くなり出し雨が降りそうな予感を感じる。

山頂への登山道は狭隘な岩場の急登だが、直ぐに鞍部に到達する。三角点のある南峰には多くの登山者が休息している。私も写真を撮り昼食とするが風が冷たく直ぐに体が冷えてくる。半袖では流石に寒い。

あまり長居すると渋滞に巻き込まれそうで、少しでも団体さんより先に出ようと写真もほどほどに出発する。

出会いからは樹林帯の中、岩場と滑りやすい泥の急登となり非常に歩きにくい登山道となる。九十九折れの急斜面をしばらく登ると視界が開け森林限界の稜線に到達する。

 稜線から西側は布団菱が、東側には笹の緑が美しく、さわやかな風が吹き抜ける。小休止すると直ぐに肌寒くなり、冷え込んでいるのが解る。

ここを過ぎると、また木の根の露出された急斜面が繰返される。

時たま緩斜面になると、朝の雨が溜まり軟弱な土壌がヌカルんで歩きにくくなる。

急に視界が広がり数人の登山者がカメラを構えている。前方には雨飾山を望む事ができる。雨飾山はかなり急峻な山容が連なり苦労させられそうだ。

ここから見下ろせる「荒菅沢出合」には多くの登山者が寛いでいるのが窺える。

出合までは狭くぬかるんだトラバースとなり、滑らないよう注意しながら下る。途中にあった標識は6/11で距離的には中間地点を過ぎたようではある。

 荒菅沢から俯瞰する雨飾山は絶好のカメラアングルとなり、布団菱の岩峰群を思い思いのアングルから楽しんでいる。