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甲斐駒ケ岳・仙丈ヶ岳(南アルプス)

       雷雲と濃霧に追い立てられた山行

駒津峰では多数の登山者が休息している。ここからは巨岩群のある六方石にかかる。ここで直登コースと砂礫コースに分かれるが、直登コースに向かう。巨岩がゴロゴロし足掛かりを模索しながらの登攀となる。いよいよガスの濃度が増し、全体を覆い隠し始めると巻き道の登山者も見え隠れする。

遠方で雷鳴が聞こえ出したので雷検知器を確認すると危険領域に入ってきた。あと10分程度で山頂、ここから岩場を戻るより山頂に登り巻き道を下山するほうが時間的に早いと思いあわてて山頂を目指す。息も絶え絶えに山頂に登頂し、呼吸を整え直ぐに下山にかかる。山頂にいる登山者は悠然と寛いでいる。大丈夫かな?

 検知器を再確認すると、やはり危険領域に変化は無いが雷鳴は離れているように聞こえる。

早足での下山途中では、雷鳴が聞こえているのに山頂を目指す人たちと多数すれ違う。感覚が違うのかな?

20分ほどで雨が降り始め雨具を装着しての下山を急ぐ。巨岩の間隔を縫って雨が流れてくるので歩きにくい。激しい雨に打たれるが雷鳴はまだ向かってこないようだ。また風も吹いていないのが幸いである。

直登と巻き道コースの分岐につくが雨足はさらに激しさを増してくる。ここで休息している者も居るが、岩盤での雷は危険極まりない。さらに下山を急ぐ。

駒津峰を通過し双児山方向に向かう。ザレ場の下りと流れる雨で歩きにくい。やがて樹林帯となり雨も弱まり、双児山に着くころには雨も止み雷鳴も遠ざかる。ここで小休止。

正面には北岳がシルエットとなり美しい山様を呈している。カメラを出すが雨に打たれ作動しない!仕方無く目に焼き付ける事にする。

テントに戻る頃には日が射し始める。こちらはあまり降らなかったのか川のにごりも無い。ビールを冷やし宴会を始め明日の好天を期待する。

1日目】
 大宮1:30−圏央道・中央道・甲府昭和IC−芦安駐車場3:50/5:10−広河原6:20/6:50−北沢峠7:15
 ・・・テン場
7:30/8:10・・・仙水峠9:00/9:15・・・駒津峰10:50・・・甲斐駒ケ岳11:55/12:10・・・駒津峰13:10
 ・・・双児山
13:50/14:20・・・テン場14:20 就寝19:00     テント泊

<テン場からの登り2時間40分 距離:4.2Km 速度:1.57Km/h
    <山頂からの下り 2時間10分 距離:5.0Km 速度:2.30Km/h
    標高:北沢峠2032 仙水峠2264 駒津峰2752 甲斐駒ケ岳2967 双児山2649

2日目】
 起床・発3:00/5:15・・・大滝の頭7:00・・・小仙丈ヶ岳8:00/8:15・・・仙丈ヶ岳9:00/9:30・・・大滝の頭
 
10:45/10:55・・・テン場・テント撤収11:50/12:30・・・北沢峠12:40/13:00−広河原13:30/13:50
 芦安駐車場
14:40−温泉−大宮

<テン場からの登り3時間45分 距離:5.3Km 速度:1.41Km/h
    <山頂からの下り 2時間20分 距離:5.2Km 速度:2.22Km/h
    標高:北沢峠2032 小仙丈ヶ岳2855 仙丈ヶ岳3032

温泉:白根桃源天笑閣500円 透明 低温と通常温度温泉で檜風呂

1日目】819日(土曜日)晴れ・濃霧・霧雨・雨・晴れ

 大宮を130出発し芦安には4時前に到着する、駐車場の整理員は既に整理を開始している。何時から作業しているのか。

広河原へはバスと並行して運転している乗り合いタクシーで向かう、料金はバスと同料金。広河原からの運行はバスのみとなり北沢峠にはバスで向かう。 

北沢峠でGPSの電源を入れるが感度が悪い、此処は樹林帯ではあるがロストする程ではないが。そういえば甲斐駒の展望台と呼ばれる鞍掛山の時と同じだ。あの時は再設定を行うことで解決したが今回はうまく戻らない。仕方なくそのままにし、駒仙小屋にテントを設置する。駒仙小屋は現在改築中でテンバのみ営業している。

山行実施日;8月19日〜20日
参加メンバー;Ry.K

今回個人用テントを入手したが、使う間もなく1カ月が過ぎようとしている。なんとかテントを張らなければと北アルプスの鹿島槍ヶ岳を計画した。最終確認のためHPを覗くと種ヶ池テント場に熊が出没しテンバが緊急使用停止となる。わざわざ熊に逢いにゆく必要がないので急遽、甲斐駒ケ岳・仙丈ヶ岳に変更する。

また、かねてから懸案であった雷検知器(ストライクアラート)を購入し試用してみる事にする。雷検知器は20年前に比べ格段に小さくなっている、以前は小型ラジオ程度あつたが。

2日目】平成24820日(日曜日)晴れ・濃霧・霧雨・雨・晴れ 

 朝は結構冷え込む。気温は12度だがシュラフカバーだけでは寒い。空には星空が瞬いている。5時ごろ空が明るくなりだし、テントを残し仙丈へ向かう。

北沢峠からは樹林帯の急登を登る。緩斜面になる頃「テンバ」への近道を左に見て通過する。直ぐに急登の九十九折れとなり汗が搾り出される。

薮原新道との分岐点となる大滝の頭(5合目)を過ぎると勾配はさらにきつくなり歩みも停滞しがちとなる。やがて展望が開け小仙丈ヶ岳へと続く這い松帯の稜線が望まれる。

天気は良好で富士山も望めるが裾野からガスが上昇し出す。大丈夫かな?カメラは昨日の雷雨で作動しない、残念だが写真なしの一日となりそう。

背丈ほどの這い松帯の稜線を過ぎ小仙丈ヶ岳に登頂するころにはガスが山頂にかかりだす。幅の狭い岩場の稜線を行くとガスがますます濃くなる。また今日もか!

駒仙小屋の分岐を過ぎるころ砂礫の稜線となり大きく右カーブを描いて山頂に到達する。山頂には複数の登山者が休息している。しばし休息していると後続の登山者が続いてくる。余りこまないうちに、そして天気が悪化しない内にと下山を急ぐ事にする。

ガレ場の道を下山し地蔵尾根分岐で地蔵側を覗きに行くが、深いガスで何も見えない。しかたなく引き返し馬の背ヒュッテに向かう、多くの登山者が登ってくる。団体さんあり、ソロあり色々である。

仙丈小屋は昭文社の地図では登山道の南側に記載されているが、実際は北側に設置されている。狭隘な稜線を下山し馬の背ヒュッテに到達する。馬の背ヒュッテを通過し、直ぐに薮沢新道と大平山荘への分岐に着く。

帰りのバスは13時の次は16時、テントを撤収してバス停まで行くのに1時間程度を見ると12時までには下山しないと間に合わない。薮沢新道からテン場の近道のコースに決定。

沢を徒渉し薮沢新道側に進む。狭い山腹をトラバース状に下山すると直ぐに薮沢小屋に到達する。このコースは登山者と会うこともなく静かな散策を堪能する事が出来る。途中には小仙丈ヶ岳からの沢が数本登山道を横切っている。大雨の時は徒渉しにくいのか?人の声が聞こえ出すと大滝の頭に着く。ここには多くの登山者が寛いでいる。

バスの時刻には十分間に合いそうなので休息に時間を取る事にする。九十九折れの急斜面を下りテン場への近道を行くと、「北岳」の展望地があるが天気がイマイチで展望は利かない。

テン場に着きテントの撤収にかかる。撤収には40分程度かかってしまった。雨の時は相当手こずるのかな?まあその時はその時考えればいいか。

 バスで広河原に着き、乗合タクシーで芦安に戻る。この付近の温泉は込んでいると思い、国道20号線を甲府方面に向い、「白根桃源天笑閣」に入り大宮に戻る。

 甲斐駒に向かうころにはGPSの動作も正常となりホットする。雷感知器を作動させ登り始めるしばらく沢に沿って登るがピピとうるさい。GPSの不具合もあるし、この付近は電磁場が不安定なのか?雷検知器は以前と比べ性能向上もしていると思うがイマイチ不安。しかたなく雷検知器の電源を入り切りしながら登ることにする。

しばらくすると樹林帯に囲まれた仙水小屋に着く。小屋を過ぎるとすぐに岩場に入り陽射しが強く照り始める。天候によっては迷いやすそうな場所だ。

仙水峠からの摩利支天は山頂にガスがかかり残念ながら全体像を俯瞰できない。ここからは急登の九十九折れとなり陽射しが暑い。天気は良好だが、振り返ると山々の山頂には厚いガスがかかり、速い速度で移動している。