荒海山(福島・栃木県)冬山
岩の鎧を纏った嶮峻な雪壁に立ち塞がれる
(Ry.K記)
山行実施日;2012.03.19-20
参加メンバー;Hi.T、Ry.K、Na.G、Ky.T
荒海山(あらかいざん)は福島県と栃木県の県境にある独立峰の中央分水嶺で、東の太郎岳(1581m)と西の次郎岳(1580m)を持つ双耳峰の日本300名山である。山裾の荒海川は阿賀野川の源流で日本海に注いでいる。山麓からは山頂を望む事が難しい会津の秘峰と呼ばれている。
荒海山は、福島県側で荒海山、栃木県側は太郎岳と呼ばれ、別名「荒海太郎岳」である。
【1日目】3月19日
大宮を夜間出発し、高速を下りる辺りから雲がうっすらと見え始め天候回復の兆しが見える。国道352号線の袋口から左の林道に入り目的地「八総鉱山跡地」に向かうが、キャンプ場から先は積雪のため車が横滑りして進めない。しかたなく下流の待避所(雪上車の折り返し場?)にテントを張り宴会を始める。寝る前には満天の星が瞬き明日の好天が期待できる。
【2日目】3月20日
起床5時には既に明るい、日の出が早くなった。気温は-12度、快晴!南東方向に白く輝く峰(名称不明)が見える。荒海川沿いの林道を1時間程進み、朝日枝沢の分岐にある「八総鉱山跡地(住友鉱山)」に着く、P=820。当初予定は此処まで車で入る予定であった。車は5台程度停められそうだ。
取付き地点はこの付近からだが何処にするか?跡地の西側に決定。ワカンを装着し取付く。
跡地内のコンクリート廃墟より西側の尾根を目指すが、急登に加え腰までの吹き溜まり雪により前進を拒まれ、やむ無く廃墟方向に向かう。急傾斜面は変わらないが、吹き溜まり量は多少少ない気がする。ただ、凍結と吹き溜まりの不安定な雪質に加え、樹木の根元付近での踏み抜きに喘ぎながら登攀する。
ラッセルの交代速度を早めながら登攀するが遅々として進まない。凍結した雪面にキックステップするが歯が立たずに跳ね返される。今回改造したワカンも太刀打ちできずにバンドが緩んで来る。約1時間かけて尾根P=950にたどり着く。
急斜面の登攀
荒海山を望む
振り返ると「八総鉱山跡地」の東端「朝日枝沢」から尾根が続いていそうだ。疲労困憊!確認出来ず。
此処からは尾根道を向う。樹林帯の急傾斜で両手両足を駆使しての登攀を行う。踏み抜きが多く神経を遣わされる。やがて痩せ尾根が現れる。南東側の雪庇を懸念し北側の樹木よりを歩くが、悪さをする悪童が寄ってくる。帽子を捕るザックを引っぱる顔を叩く、この悪童に注意を払うと足元の踏み抜きもさらに増えてくる。このやせ尾根は短くすぐにアップダウンの尾根が始まる。[雪の無い季節では、この尾根はどうなっているのか興味がわく]さらなる急斜面で、両手両足を駆使しての急登となり樹木に体を支えるが、我々と同様に老朽化している木々が多く、危なっかしくて全体重を預けられない。送電線が南の尾根に見え出し、やがて尾根の分岐にたどり着くP=1276。やっと荒海山が望まれる。
「あれが荒海山!アップダウンが激しすぎる」「届かない」「どうする」相談が始まる。
緩斜面を下山する
P=1480の展望
標高:西峰1581 東峰1580 八総鉱山跡地(やそうこうざん)820
累積時間:10時間40分 累積距離:12.5Km 平均速度:1.17Km/h 概略傾斜
【1日目】平成24年3月19日(月曜日)曇り
大宮20:30−岩槻IC−西那須野IC−テンバ12:00、就寝1:00
【2日目】平成24年3月20日(火曜日祭日)晴れ 気温-12度
起床5:00/6:20・・・八総鉱山跡地7:10/7:20・・・P=950、8:20・・・P1276、10:45/11:00 ・・・P1480、12:30/12:45・・・P1276、13:40・・・八総鉱山跡地15:50/16:00・・・テンバ 17:00、−温泉−夕食−大宮
<八総鉱山跡地からの登り時間5時間10分、距離:3.7Km、ワカン速度: 0.73Km/h
<八総鉱山跡地までの下り時間3時間05分 距離:3.7Km ワカン速度: 1.2Km/h
林道片道2.5km 往復2時間
温泉:「夢の湯」500円 透明 国道352号線の会津高原尾瀬口手前
成長した雪庇