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白萩川を大窓方向に遡上

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H23GWは 『 剱 岳 』 雪稜

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さあ出発、ここからコルへ下降しさらに登行し小窓ノ王の基部へ。2,750m 12:20基部を少し廻って懸垂用支点。少し貧弱だが古いものに6mmくらいの新しきもの1本在りそのまま使用した。502本ダブルで懸垂下降するが1520mほど不足。一旦ここで区切り更に下降。池ノ谷(タン)ガリーに下降した。

 小窓ノ王岩峰下部を水平に約50m稜線側にトラバース移動。三ノ窓2,660m着。安全地帯に。一気に約100m下降した。チンネの下部も560m先。クレオパトラニードルはチンネの陰で見えず。

ここでの幕営は早い。池ノ谷(タン)乗越へは急斜面の雪稜を標高差約200m登行する。登るしかない。

ピッケルワークと一歩一歩の我慢の前進だ。乗っこしは幕営可能だがパーティ少し離れてしまう。待て止まれ先行者、危険信号だ。主稜線の雪壁を登りナイフエッジを通過する。幕営地を探しながら慎重に進むが少し心配になる。無ければ池ノ谷(タン)乗越へ戻ることになる。危険も伴う。見つかった、安堵。

両側が切り落ちたテラスのような場所だ2,890m。少し整地しブロックを積み快適な幕営地になった。4:30午後天候が崩れる予報だったが持ってくれた。その分明日に持ち越しか不安が残る。

明日は長次郎のコルから最後の雪壁だ。コース一番の急斜面と長さが待っている。

まあー今晩も楽しくやろう。

小窓尾根→本峰→早月尾根

山行日時:5月3日〜7日
参加メンバー:Hi.T、To.U、Ky.T、Te.I、Sa.H、Ma.A

ゲートからここまでの往路は仕方なく歩くが、復路は運良く帰路の車に運転者一人のみ便乗お願いしゲートまで送って貰う。車の持ち主はクライマーで矢張り山が好きでこの3月まで茨城県に在住し、早期退職し4月から念願だったこの地へ移住したばかりとか。(山本誠さん)好き者同士御付合いしたいですね。

その後は温泉そして魚津の割烹へ。我々の飲み会はいつもその辺の安価な居酒屋だがここは料理の鮮度も質も上等、営業のうまい女将さんのいる店、以前も入った店だ。地酒と地の刺身、てんぷら、ホタルイカのしゃぶしゃぶ・・・・。   飲酒しない女性が高速SAまで運転そこで仮眠し無事帰宅した。
         (Ma.A記)

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〈行程〉
5/3  大宮発20:0022:00東部湯の丸SA5/4 
5/4  0:30
有機海SA→馬場島ゲート前1:40(ゲート閉鎖中 5/7から開門の看板) 車中仮眠 6:30 舗装道路を馬場島まで   歩く 8:10登山指導センター 8:30 11:00雷岩 15:00  1,600mテント泊
5/5  テント5:45 12:50ドーム肩にテント泊 
5/6  テント 5:45 12:20小窓ノ王 懸垂下降地点 16:30 長次郎の頭付近 テント泊
5/7 テント 5:30 6:30剣岳山頂 6:50 11:00早月小屋 14:00松尾平 15:40登山指導センター 帰路に。

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 11:00ここで一本。ここから左岸雪の付いた急斜面を登る。先行2人パーティ50mほど登ったところで頭部大小のブロック雪崩が78個ほど落下。直撃は避けたようだが小塊の1個くらいは当たったか、怪我は無い様だ。我々は急斜面の疎林帯を縫っての登行だ。やがて1,600m地点へ。予定の場所での天幕だ15:00。足下には馬場島、マッチ箱の稜線更に早月尾根が、それなりの景観だ。

 5/3()大宮駅西口2000発→馬場島ゲート前(ゲート閉鎖中7日開門の看板)車中仮眠。
5/4()朝起きると登山者の車がゲート前から左右連続に縦列駐車。何台在るのやら。準備し6:30出発。舗装道路を馬場島登山口まで1時間半を歩く。予期せぬアルバイトを強いられた。道中大窓が大きく開いて天気が良い事を物語っている。8:00登山口、警察の警備派出所&県登山指導センターに計画書を提出し白萩川左岸を進む。この辺りの雪は日陰に少し残っている程度でほとんど無い。橋を渡り一本。右岸沿いに進むと堰堤のような物が、デブリで見えないが本格的な積雪だ。よって渡渉は無い。デブリで埋まった谷を遡上し右岸に大きめな垂壁の露岩。これが雷岩かと思いきや少し手前のボルダーで遊ぶ様な独立した大岩1個。これが雷岩との事。

:ニードル

:マッチ箱

:5/5  1,800m ドーム肩にテント泊

E

D

B

:5/4  1,600m  テント泊

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大げさに言うと岩と氷そして雪、雪壁、ナイフリッジもこれで終了。気の抜けない核心部が終わった。

 山頂は当然360°の展望。祠は屋根の一部を残し雪中だ。しばし休憩。空は高曇りもう雨でも雪でも、といった強気の感じだ。早月尾根の上部はまだ少々危険な急斜面の雪壁が待っている。しばらくは気を引き締め慎重に下ろう。

雷鳥との出会い、写真を撮り更にドンドン下る。急斜面そしてフイックスロープ有り、腐れ雪で足場も崩れアイゼンはもう不要に。右手にはもう登る事はないだろう、小窓尾根の稜線が見える。営業はしていない早月小屋11:00着、ここは休まず下る。この尾根も長いが更に下る。

何度目かの休憩地点で樹木の芽吹きを発見そして大木と雪渓の間に、名も知らない可憐な小さな花が咲いていた。馬場島登山口ももう近い。更に下降。登山道脇の雪の消えかけた跡にはカタクリや他のきれいな花々が咲き、フキノトウのつぼみも。摘んで行きたいがそれどころでは無いと小さな声で一喝。馬場島登山センター15:30着。みなさん道中安全登山で、ご苦労様でした。

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体がほぐれない早朝に、急斜面の登行。子亀がコケたら親亀も、
そして深ーい谷底に皆で沈殿 
?  怖ーい話

危険な稜線を幕営地探しながら前進

雷岩の前で

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:沢からこの辺り1,200mくらいの
  稜線に這い上がり尾根沿いに登行

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小窓尾根前半 前景

剱山頂

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小窓の王懸垂地点から三ノ窓コルへ懸垂。
そのコルから池の谷ガリーを(望む)登高。
高低差約200mの雪璧だ

雪壁を懸垂下降

格好いいニードルです

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5/()5:30出発。曇り、風もなく穏やかな朝だ。ほぐれない体で慎重に進む。難所と思われた長次郎のコルからの雪壁もピッケルワークと一歩一歩のリズムと慎重さと我慢で前進。

 長次郎谷の雪渓を山スキーで滑るという計画も在ったが今年は東北大震災の影響もあって暫く出かけられず、山スキーも数回のみで滑っていない。よってこのコースを歩く事にした。主稜からのぞく長次郎谷右俣は熊の岩前後して雪崩の跡。谷の真ん中が凹み滑りにくそう。左俣はいい斜面に見えた。

本ルートの途中の斜面もスキーで滑りたいいい斜面が沢山有ったが、実際その斜面には行けないし、行けたとして目視出来ない下部がどうなっているのかスッパと切れ落ちていたりして。ヘリスキーでもいいなーと一瞬の夢を見つつ溜息をつきながら目視のみで通過する。

八ッ峰。雪稜の黒と白の岩峰群、とても絵になる。いいねーと写真も沢山撮ったが、出来栄えはいかに。さあ本峰が刻々と迫ってくる、本峰着『剣山頂』だ。6:306:50

 コルからは枯れ草の小さな藪のような疎林交じりの急斜面を登り更に雪壁だ。雪積のない個所には先と同様切れそうな古いロープが道標か、意味不明に着いている。これがドームへの登りだ。ドーム13:00一本。ドームから台形のマッチ箱が正面に。マッチ箱の稜線を通過しなければならない。今日明日の行程が一番の難所の様だ。更に下降。コルへ下降中先行の4人パーティがコルからの登攀で一本入れているようでもなく手こずっているのか緩やかな前進の様子。我々もコルに到着14時。積雪の無いほんの一部が4級程度。我々は時計を見つつこのまま前進か否か。この先のテン場不明。安全安心を優先した結果ドームに戻り、登り返し幕営する事に。テントを張り今晩も剣周辺に居る事を勘違いするくらいの楽しいひと時で、まるで居酒屋だ。(誤解の無いように決して酔いが廻ってという意味ではない)

 5/5()5:45出発。足下の馬場島方向は雲海だ。今日も晴れ模様。アイゼンの音を効かせながら出発。雪壁のアップダウンを過ぎ、陽も上り暑いくらいだ。この辺から見る本峰稜線西側の岩峰は剣特有の有り様だ。険しい急峻な谷(タン)がいきなり稜線に這い上がっている。谷(タン)独特な呼称だ。標高も登るにつれ上昇し大窓も隠れつつ。ここらで見る限り大窓はスキーで下降できそうな感じの急斜面だ。反対東側の大窓雪渓は不明だがどんな感じだろうか。西の赤谷山の景観も登るにつれ都度変化し嬉しい気がする。

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5/6()5:45出発。今日も晴れ午後から崩れる予報。どの程度の崩れか予測つかず。

昨日の折り返し地点、コルまで下降しフイックスロープで10m這い上がる。昨日張って置いたものだ。これで多少時間短縮。積雪を池ノ谷左俣側へ10m程トラバースし急斜面の雪壁を直上する。積雪が締まって足掛が良いが陽が上って温度が上ると腐れ雪、こうなると危ない。この小窓尾根稜線の登り降りはなだらかな個所は少なく、とても急斜面ばかり・・・。  

滑落は出来ない。落ちても私の滑落停止技術では止まらないだろう。

よってピッケルワークと一歩一歩の前進が肝要。雪壁から抜け出しナイフリッジを通過しマッチ箱、西端着(コル)一本。いい景観だ。
〈左
写真〉

格好いいニードルの岩峰を見て、写真も撮り少しずつだが近づいて行く。急な雪壁を登りニードル。ニードルは池ノ谷側、右を巻き更にコルへ下降。ここは15m位懸垂し、西に10m程トラバースし更に20mくらいの懸垂でコルに。支点は立派な立木有り12:00着。【ここで参考に、我々の懸垂下降支点3m手前に道標を示すかのように古い細い6mmくらいのロープがフィックスされていた。このロープに沿って下降するとコルから若干東側にそれ、そのまま切れ落ちた谷へ。振り子トラバースとなってしまう。危険】

この先も気の抜けない危険地帯の連続。いつでも滑落OKの道中だ。なかなか安全地帯に到達出来ないがその反面景観は良い。2,650m地点。池ノ平山からの合流地点だ。小窓の頭で一本。ここからの景観も見事、とくに小窓ノ王への登りの雪壁と言おうか雪稜というか奥に小窓ノ王の岩峰。にくいね、おまけに先行者2人が添えて絵になる。とてもいい構図だ。 

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急斜面の疎林帯の登行