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南ア・辻山

東日本大震災の影響 少々後ろめたい気持ちの山行

山行実施日;2011.03.29-31
参加メンバー;Te.I

 北岳の写真を撮りに二年前の夏に登る。今回は雪を頂いた北岳を期待して出かける。この時期はバスの運行はなく、足(車)のない自分としては芦安からタクシーを利用して入山する。登山口で準備をして雪も疎らな登山道を10時50分登り始める。東日本大震災で山に行きそびれてザックの重さが鈍った体にきつい。夜叉神峠12時15分着。雪は50p位。雪を頂いた白根三山が望める。トレースはしっかり有り先に進む。杖立峠に14時30分、樹林帯の登りだが天気は良くて風もなくそれほど寒くはない。この付近で積雪は1b位。ザックの重さも相まって少々疲れ、苺平までは行けそうにない。暫く進み展望が開けた場所でテントを設営する。山火事のあった少し手前で15時30分、疲れた。

 翌日も良い天気で風もなく登山日和。本日は辻山までなので8時頃のんびりと出発する。苺平に9時30分着。辻山方向へはトレースがない。ワカンを付けて夏に来たときの記憶を頼りに尾根筋を左に見ながら進む。途中からテープが有り探しながら登る。辻山山頂に11時着。三角点の上にテントを設営する。積雪は150p位で、ストックいっぱいで地面に届かない。少し進んだ展望台からは、野呂川を挟んで池山吊尾根を従えた北岳、間ノ岳、農鳥岳などが望める。重い三脚を据えてしばしの写真タイムにする。陽は頭上に昇っていて写真としては今一、明日の朝焼けを期待して宴会タイムにはいる。風も弱く穏やかな日差しの中での雪見酒、至福の一時を過ごす。

 夜半から風が出てきてゴーゴーと梢を揺らす。日の出を気にしながら朝食の準備をする。が、白根三山は雲の中で、東側が日の出で明るくなってもその姿は現れず黒い雲に覆われたままで陽はドンドン昇ってしまった。諦めて撤収の支度を開始する。7時40分下山開始する。白根三山は厚い雲に隠れたままだった。

苺平、杖立峠、夜叉神峠と良い天気の中順調に下る。夜叉神峠でも山の雲は取れず重い三脚を恨めしく思った。登山口まで一気に下る。12時頃着。雪で濡れたテントを乾かし、ザックのパッキングを終えても、帰りのタクシー予約時間(14時)まで結構な時間がある。携帯を持たないことをこの時は悔やむ。予定では芦安までの旧道を下るはずが、ザックの重さに負けて予約してしまった。ゲートの管理人の携帯で連絡をしていただいたので少し早くタクシーで芦安に下る。が、またもや災難発生。東日本大震災の影響で日帰り温泉がすべて休業状態。さらに旅館もキャンセルが相次ぎ開店休業とのことで、暖かい温泉にはいることが叶わず、バス時間まで寒い停留所の待合室で粗末なつまみでお酒を飲む羽目になった。

 甲府からの高速バスはゆったりでお弁当を買い込みウトウトしながら帰る。新宿までの行きも帰りもザック姿は自分だけ。山でも登山者は少なくタクシーの運転者は例年のこの連休は忙しくて大変なのに、今年は誰も(今回自分だけ)来なかったそうです。少々後ろめたい気持ちを感じながらの山行となった。

北岳