仙丈ヶ岳・頂上に届かず 強風と−25度で体力消耗
山行実施日;2012.25-28
参加メンバー;Zu.O、Hi.T、Te.I、Na.G、To.U、Sa.H、Ta.K、Tu.T
恒例「岡野さんと行く冬山登山」(12月25日より27日、予備日28日)に参加することにした。山行目的は「冬期山行経験者を増やす」、場所は、北アルプス・蝶ヶ岳、しかし西方に張り出した寒気が南下、西高東低の気圧配置により寒波の襲来が予想され、南アルプス・仙丈ヶ岳・地蔵尾根に変更。この尾根は長い。
悪い予感
メンバーを見て、体力、技術において最も劣るのは私。ばてなければ良いが、共同装備はガスボンベ三本、スコップ、予備日のためのジフィーズ8食、重い。案の定、歩き始めて2時間ぐらいで無理と判断。ボンベを三本背負ってもらう。それでも予定の松峰小屋には届かず、手前の松峰をトラバースしたあたりでテント泊となる。
私はカナリヤ
翌日はガスの中、仙丈ヶ岳へのアタックと帰路を考え、2400メートルあたりでテント泊となる。前日の疲れもありほっとする。夜、横になると息苦しい。高山病かと思ったが、Zu.Oさんも同様と言う。テントの経年劣化による換気能力の低下ではないか。私は危うくカナリヤにされるところだった。過去、酸欠による死亡事故もあったことから、検討課題となる。
Iシェフ誕生
翌朝のメニューは雑炊。だしは、ほたてと干しえび、根菜は茹でてあった。小松菜を入れ、卵でとじる。さらに、柚子と三つ葉をトッピング。旨い!本人は大変だと言うが、これほど腕がよければ今後もぜひ願いしたい。
山頂を目指し
早朝出発、時に青空が見えるもガスの中。アイゼンを履いて3日目。荷は軽いが、足は重い。行動食はジフィーズとしたが、胸ポケットに入れておいても冷たく食べられない。体力が消耗していくのが分かる。稜線直下、ラッセルとなる。稜線に出ると風が肌を突き刺す。寒い。体の芯から震えるようだ。Hi.Tさんから、衣類を着て登れるか打診がある。インナーダウンを着る。登りたい。しかし、2900メートルあたりで、風はますます強く、無理かもと思ったところで、Zu.O(L)さんから撤退の指示。自分としては限界だと思った。予想以上の疲れか。
四日目、相変わらず行動食はあまり取れない。下山途中吐き気が再三襲う。林道に出ると、ほっとしたのか我慢できなくなった。みんなも疲れているだろうに、またも共同装備を背負ってもらった。ありがとう。これほど疲れた山行は久しぶりだ。下界で生存する甘さを痛感。なるほど、登山もまた、哲学的なのかもしれない。 (Tu.T記)
最高到達点(標高2850m)付近で 撮影Zu.O