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嵐の谷川岳  馬蹄形縦走 

山行実施日;2010.08-10
参加メンバー;Tu.TYo.TTa.K

せっかく会で購入して頂いたテントを活用したい。しかし、水は担げないし、紅葉も楽しみたい。山をあまり知ら無い私が選んだのは、有名な谷川岳馬蹄形縦走。避難小屋も多く、水場もある。紅葉もきれいと言うことなし。清水峠までは七時間半、ロープウェイを7時に乗れば間に合う。そこで前夜泊(10月8日)とした。

 メンバーはYo.TさんにTa.Kさん、これでは私がテントを担ぐ必要もない。しかし、一応ポールだけを担ぐ。翌朝、谷川岳はガスの中、霧雨も降っているが、私を含め、誰も話もなく、あたりまえのように出発した。肩の小屋から風が強くなってきたが、オキの耳に登った。だんだん風が強くなってきて、一の倉岳では谷から吹き上げる強風に吹き飛ばされそうになった。一の倉岳から茂倉岳、笹平、武能岳までは楽しい稜線歩きのはずだが、飛ばされないように神経を使う。窪地があれば風を避け、行動食を取った。時間だけが過ぎていく。

 蓬峠でテントを張ろうと考えていたが、峠手前で湯檜曽川沿いに下った所に白樺避難小屋があるというのでそこを宿泊場所とした。下ると途端に風は弱まってきた。小屋には先客が小屋の中にテントを張っていた。男性はすぐに撤去をするというものの、中の二人の女性が荷物をきちんと整理するまでかなり時間がかかり、さらにテントを持っていないかという。場所はせまく、雨も降っている。夜中の天気も気になることから待つことにしたが、私たちはすっかり冷え切ってしまった。

 少々癖のある先客達だが小屋は暖かくよく眠れた。翌日は青空が見え、武能岳の紅葉が美しいが、稜線はガスの中。谷川岳が晴れるのは難しい。小屋の外での食事はピクニック気分。下山路は雨上がりのブナの葉が輝き、命の息吹を感じさせる。昨日、風と雨に泣かされたからよけい、そのように感じるのかもしれない。「雨の山行もなかなか良いよ」と聞いたことがあるが同感だ。マチガ沢から一の倉沢を見上げると、紅葉の中にそそり立つ岩峰。完全にここからは観光気分。温泉に食事と幸せいっぱい。

 反省すべき点も多い。あの強風では誰が吹き飛ばされ、滑落してもおかしくない。谷川岳は太平洋側と日本海側の分水嶺をなす。両気団が混じり合いせめぎ合う地帯である。たとえ、晴れても天候は不安定という。この意味を体験しなければ分からない自分が、しかも、リーダーだったとは恥ずかしい。気象についても学習が必要だ。 (Tu.T記)