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   第2回大宮労山祭・沢登りの部・黒檜沢

        これが初級?

    山行実施日;2010.09.19
    参加メンバー;Hi.TTe.INa.GSa.HYo.TTu.T

まず、地形図で黒檜沢の位置を確認する。三岩岳から小豆温泉へ流れる沢だ。右岸に登山道があり、それが途中で沢を横切る。次に遡行図を見るがまったくイメージがわかない。滝と両岸に岩が多いということしか分からない。これでは読むではなく見るというほかない。

 これまでの沢と異なり、両岸に岩が壁のようにそそり立つ。これをどのように登るのかまったく分からない。ただポカンと口を開けるだけ。

足をもっと上げろと言われてもできず、膝を着いて登ることになる。それでも上がらない時は、Yo.TさんやSa.Hさんに引き上げてもらう。翌朝、膝は赤く腫れ、その後クリスマスカラーに変化していった。
 まったく登れないと思われる岩場に来た。Sa.HさんとNa.Gさんが自ら足場となり、Hi.Tさんが登りザイルをかけた。確保をしているから大丈夫と言われても、足も手も置く位置が分からない。後ろから、Te.Iさんの「行け」の掛け声!本当にこれが初級の沢なのか?疑問がわくが、それを考える余裕も無くとにかく登る。
遡行図には倒木の記号があった。倒木は沢底にあり、上を水がせせらぎのように流れているのかと思っていたが、ごうごうと流れる水の上を大きな丸太がかかっており、それをみんなが渡っていく。行くしかないと覚悟を決めたが、腰が引けるということはこのことか。足が震えた途端、落ちた。長い手が私のザックをつかみ、引き上げてくれたのはTe.Iさん。さらに滝の左岸を高巻く。笹をつかんで行けと言われても足場はずるずる、とうとうすべり体が伸びた。またしても、長い手が私のザックをつかみ、「立て」そう言われても、もがきつつ体を起こす。疲労困ぱい。みんなは岩伝いに跳びながら登っていく。私は沢底を確認しながら登るので遅れることはなはだしい。Hi.Tさんが見守っていてくれたので安心だったが、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。12メートルの「く」の字に曲がった滝を登って昼食。

 時間は12時を回っていた。リーダーより三岩岳登山道が横切っているとこまで沢を下り、その後登山道を降りることが話された。沢を下るなんてとんでもない。登ると真っ暗になるまで着かないと言われ、何でこんなところに来たのかと思うが、とにかく帰りたい。散々苦労したところの降りはどこも怖い!大きな倒木をまたぎ、そこを下れと言う。倒木の下は滝からごうごうと水が落ちている。ザイルで確保してもらうも、倒木をまたぐのが、また怖い。Sa.Hさんのお助けひもでなんとか倒木をまたぐ。このようなことをするのも始めて。後ろに重心を移すと少しずつ下がっていった。背後でHi.Tさん、Te.Iさんが楽しそうに写真を撮っているようだ。

 この沢が初級かどうか。Hi.Tさんによれば会津の中では初級とのこと。しまった!会津は豪雪地帯。深瀬・宗像著の「沢登り」には「深い雪に磨かれた沢筋と清冽な水の織り成す渓谷美が訪れる者を魅了する」と書かれている。たしかに磨かれた岩で美しかったが、登るには苦労した。
 Na.Gさんのやさしい言葉に励まされ、力強い四人の男性にサポートされ、様々な意味で貴重な体験をさせていただきました。(Tu.T)