戻る

   川内下田・大谷川 

(新潟県南蒲原郡下田町、福島県南会津郡只見町の県境に新潟側から遡行)

    予備日をフルに使っての遡行  要因は下山路の廃道化


      山行実施日;
2010.07.16-19
      参加メンバー;Hi.TSh.SMa.ATe.INa.GTo.U

          行程;7/16():22:00宮原駅集合出発→深夜1:30頃「道の駅」BV(ビバーク・仮眠)
               7/17() :BV(ビバーク)6:00過ぎ→大井大橋を渡り切り鎌倉沢林道入り口に駐車→鎌倉沢林道入る→
              堰堤の先、左岸を少し登り適当な個所から沢床に降り
7:40遡行開始→昼頃夕立、
              台地へ避難
BV
               7/18():BV6:30→遡行開始→白滝下部の台地状に16:30BV
               7/19():BV6:30遡行開始→白滝終了→藪沢に→二股を左沢に→12:00稜線・五兵衛小舎跡→
              日本平→川胡桃
(くるみ)沢徒渉地点19:00R289に跳び出す22:00R289を出発地に戻る
                      22:50 7/20() 帰埼4:00

盛夏、初の沢遡行に急きょ参加した。私ごとの用事が有り参加諦めていたところ出発1.5日前に参加できる事になり地図&遡行図(ガイドブック)購入しようと職場近くの大きな書店3店廻ったが鎌倉沢の掲載本が無い。よって地形図のみ購入した。ネットを開いて当沢の情報を検索したが1点のみ、下山路が我々の計画と相違し余り参考にはならなかったがGPSに想定ルートを入力した。準備不足も有った。

7/16()
 22:00
宮原駅前出発。熟練者ばかりのそのメンバーの末端に私を含めて6人。遡行図など資料コピー頂く、車内でザット目を通したその程度。関越道&北陸道を燕・三条で出てR289を東進、途中1:30頃『道の駅・漢学の里しただ』でBV(ビバーク・仮眠)。ブルーシートに銀マットを敷きビールで乾杯。満点の星を見つつすぐ就寝。

7/17()
  6:30BV
地出発。R289を更に東進。車窓左に大谷ダム湖を見、湖面が過ぎ、すぐに大江大橋を渡って左手が鎌倉沢林道入口。ゲートが有り車はここまで。
 支度を整え林道に入る。堰堤を左に見てすぐ不明瞭な悪い踏み跡を辿る。適当な場所を探し7:40懸垂下降(20m)入渓。水は透明でとても綺麗天気も良いので沢床も気持ちが良い。遡行間もなくゴルジュ。ゴルジュに陽が差し暗と陽のコントラスが神秘的な美しさだ。8:30この様な場面には余り遭遇しない、よって自己満足型のいい写真が撮れたかなあーと。暫くこの景色が、ゴルジュと釜の美しさが続き、楽しく釜にとっぷりと浸かり或いは丁寧にへつり遡行する。
いつか身体も冷え、昼過ぎに夕立が。ここからまたゴルジュが現れ遡行図によるとその先へと続く、深そうな釜と34m位の滝、滝の上は折れて見えず。遡行出来そうか躊躇。突入しこの雨で水量が増水しどうなるのか。この沢は逃げ場が無い。少し立ち休みながら様子を見る。雨足が強く大粒の雨に変る。傍の小さなルンゼはちょろちょろの水流だったがたちまち太くなる。一時避難。ルンゼの2m下流左岸の急斜面を、立木を掴んでゴボウで強引に身体を引き上げる。細い粗末な踏み跡を見つけ上流方向へ50mくらい進み平場を見つける。一寸早いがタープを張りBV地に。河床から20m位の台地に這い上がった格好だ。沢を覗くと濁流だ、水位も一機に上っている。対面の山肌は雪崩で磨かれたスラブから滝の様な流水が。

       

あのまま遡行し続けたならゴルジュの途中で立ち往生し、その先は考えたく無いネ。
 タープの下、銀マット1枚敷いた簡易なBV地だが夕立も小降りとなり濡れた薪を集め焚火をし、快適な楽しい一夜を過ごした。なおGPSはここまでで電池切れ。後から大変貴重な道具となりえるが予備電池も無く冬季でも無いのにただ持っているから記録用にと持参しただけ。あえて電池消耗してもそれはそれでいいやの単純な考えであった。

7/18()
 
朝、沢を見下ろし昨日の濁流とはうって変り穏やかな流れに。晴れ6:30BVを出発。昨日這い上がった所から入渓した。すぐゴルジュ帯に入り腰高から胸高の瀞に入る。次は巻いて、へつって、泳いでの連続だ。西から東へ遡行して来た。大曲で直角に南に向きを変え更に遡行。11:00大雪渓が現れそのスノーブリッジのトンネルを怖い思いで急ぎ通過。少しあいだがあき3か所無事通過した12:00嫌なところだった。少し前落下したような雪の塊と今でも天井が抜けそうな状況だった。嫌だネ。遡行は続く。30m3段滝は右を巻く。トップはSさん。フイックスロープで後に続く。2段目はチョックストーン状の大岩から流れを横断し右岸に移りザックのみ先行移送する。3段目はノーザイルフリーで。大小の滝を遡行し白滝下部の台地で一本16:30。まだ明るいがこの時間から白滝を越えるにはヘッドライトの残業だ。危険が伴う。安全優先よってこの地をBVに。ゼンマイの茎を刈取地面に敷き更に銀マット1枚の青天井の下で残りのアルコールと晩飯だ、楽しい一時だ。夕立は無くまた雨天の様子も無く昨夜同様星を見つつの就寝です。

7/19()
 
晴れBV6:30出発。白滝150mへ。10mの藪を越えスラブに出、更に10m程のスラブをフリーで登り草付きをトラバースし沢床に、沢水流の左側を登る。白滝を越えて水心60cmの貯まりで水浴び。身体が干し上がってしまいそう。この先は藪沢の感じ。ほぼ平坦なそして水流も乏しくなった沢、高度を稼げない沢を進む。やがて二股に。右折は五兵衛小屋跡から日本平へ続く稜線へ跳び出す見込み。左折は予定のルートで五兵衛小屋跡稜線へ。左折し予定のルートを進む。78mの草付きとスラブ、併せ2つ登り藪こぎ突入30分くらいで稜線(ピーク940m)に12:00着。ガチャ類をザックに詰め一本。この場から下山。日本平に至る稜線を目視確認後出発したものの少し進み方向の間違いに気付く。踏み跡が無く立木で見通しも無く目先の稜線と思われる起伏を少し下降したところ北側に無い筈の稜線らしき地形が現れ気付く。ここでUターン登り返し修正した。道なき稜線を進む。登り下降の繰り返し855mのピークを経由し更に進み日本平に。途中赤布を発見するが稜線から外れるため誰が何の目的で付けたかは不明、よって我々は忠実に稜線を進む。踏み跡は廃道化され消え、また現れる。獣道の様な薄いものだ。日本平から西に進む3回目の赤布を発見し我々の方向と一致している事に確信し赤布を探しつつ下降する。踏み跡も少しだが濃く成ったような気がする川胡桃沢と概ね平行に南側尾根筋を下降しているはず。川胡桃沢の徒渉地点19:00で一本。ここでヘッドライトを準備。徒渉に当り水位に問題なく対岸に渡るが道が無い、消滅。全員で探すが見つからずに少々時間のロス。バラけないよう6人まとまった後改めて2人編成一組で偵察発見。全員そろって再出発するが少々進みまた急に消滅。ああでもないこうでもないと地形図と磁石で再度進む。そのうち杉もしくは桧の人工林に入り込み踏み跡の様な道を発見し下降する途中雨量計の建物に遭遇しその管理道を降りるといきなりR289に跳び出す22:00。車まで徒歩45分、あと一息頑張ろう。
 車に乗車し兎に角携帯の繋がる地へ移動し留守本部へ下山報告11:00にした。今日は予備日でその上遅い時間。留守本部並びにその関係者には多大なご心配をお掛けした事をまずお詫びしたい。救助隊が出動したら大迷惑になっただろう。
 下山報告後通りすがりのコンビニに立ち寄り遅い夕食を購入し、また着替え帰埼する。交通機関がまだ普通の時間帯のため全員それぞれの自宅4:00へ送って頂いた。お世話になりました。

【私個人の反省点】
 沢の遡行と登山の力量、これは個人差それぞれだが技量・体力・全体のまとまりと協調性は平均して上位だったと思う。ガイドブックによると当沢の記録の年月日不詳、下山路の廃道化の記載は一切無い。行程は12日だが班編成により大差が有る事は承知している。が、どう見ても私は23+予備1日の行程と思う。これも遡行した体験からの行程で個人差が有る事も理解しております。私自身急きょ参加となり事前勉強不足と下山路が廃道化され藪こぎプラスとあんなに不明瞭なものとは知らなかった。よって遅滞の最大の原因は下山路の廃道化だった。よってガイドブックの記録が悪いと言っているのではない。あくまでも参考にさせて頂きすべての責任は我々メンバー全員が負う事は言うまでも無い。また反面メンバー一体となり協力し、一人として怪我なく無事下山でき嬉しく思う。
 しかし留守本部とその関係者には我々が楽しんでいたか苦しんでいたかはあったが兎にも角にも迷惑を掛けた事を心からお詫びし二度とこのような事態にならないよう注意しなくてはなりません。
 GPS:私は雪山の使用目的で持っている。今回は沢であり天空が狭い範囲となりGPSは不利な状況である。無雪期でもあり登山路がこんなにも不明とは全く考えなかった電池の残量も半分くらいだ。単に記録用とし電池が無くなればそれまでと潔く深く考えずに携帯した。これが失敗だった。出発前時間が無かったにもかかわらずGPSに想定ルートを入力した。電池が有ったらその効果はどんなものだったか試して見たかった。
 雪山では【GPS+トランシーバー(アマチュア無線機)+シャベル+ビーコン+ゾンデ】一般装備の他に替え電池も含め携行する。無雪期も【GPS+トランシーバー】を次回から考えなくてはなるまい、その分ザックが重く体力は衰えるばかり。(Ma.A記)