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 雪が少なく厳しかった茂倉岳と谷川岳
K坂
当初は5名での山行計画が仕事等の関係で一人減り二人減り三人減り。結局、Y城さんと二人の山行となった。いつものように川越集合、時間は22時。  今夜は土合駅でステーションビバーク、土合駅には多数の車が駐車している。駅の中には既にビバーク中の多数の人がいる。爆睡中の人、明るくて?眠れないでもぞもぞしている人、これから睡眠の準備をしている人等がいる。我々は、明日遅めの出発なので静かに寝酒を飲みながら明日の予定を確認して就寝する。
8時34分の始発に乗るので遅めに起きると、あれ程いた人がほとんどいない。486段の階段を下るので早めの8時頃に無人の改札を通りホームに下る。推定25sを背負い、下りなので良いが上りはギブアップと話しながら、長いトンネルを下る。電車は以外にも満員でびっくり。料金を車掌さんに支払い無人の土樽駅に到着する。ここから登山口までしばらく普通の道を歩く、今夜のお宿である茂倉岳の避難小屋に早く着きすぎたら一ノ倉の避難小屋に行こうかと、甘い考えを話しながら登山口に着く。途中から雪道なり分岐が有ったが何も考えないでトレースをたどる。1時間程歩き、小さな発電所が見えて場所を確認してやっと道間違いに気付く。あの尾根を越えれば登山道に戻るだろうと軽く考えてバリエーションルートを選択するも、二尾根の藪尾根を悪戦苦闘してやっと当初の登山道に着く。無駄な体力と時間をこの藪尾根で使い果たす。今回の山行の大反省点。茂倉岳の避難小屋に到着時間を3時頃と見積もる。
途中でテントを見つけるがテントには誰もいなようである。更に進むと単独行の女性に会い話すと、先程見つけたテントの主のようである雪が大変で途中で諦めて帰ってテントでビールを飲んで寝るとの事。雪は重く踏み抜きが多い。また、雪が少

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なく藪も出ているまるでバリエーションルートである。更に進むと男性の単独行に会う。西黒尾根から来た日帰りのようである。雪の確認をすると雪はあるがずるずる滑って大変との事。14時8分にやっと矢場の頭に着き大休憩し、ヘッデンを覚悟して茂倉岳に向かう。進んで行くと6名位のパーティーに会うこちらも日帰りのようである。もしかしたら土合駅にいたかも知れない。途中から風が出てきて尾根が細くなってきたのでアイゼンを付けて登るが、疲れた体にアイゼンは重い。風は更に強くなる、雲の中に入ったようで周りが見えなくなる。避難小屋にテントを張って一杯を希望に歩くが足取りは重い。更に歩くと避難小屋らしき物がガスの中に見えたが違うようである。念の為にスマホの地図を確認するがもう少し先であった。やっと小屋の頭が見えて来た。時間は16時ぐらい。
途中で雪が少なかったのに避難小屋は屋根が少し出て埋まっているスコップで掘り出そうと頑張ったが途中から雪が固い。ああ、スノーソーが無い。掘り出しを諦めて直接テント泊としたが強風でテントが中々張れない。やっとの事でテントを張り、周りに風よけのブロックを積む。結局 、テントに入れたのが17時過ぎ、先ずはビールで乾杯する。テントは時折風で飛ばされそうになる。風に負けずにお酒を飲み、Y城さんのおいしいカレーを食べる。途中で意識を失う前に寝袋に入る。風はずっと強く、テントが飛ばされそうである。翌日はゆっくり起きてテントを撤収する。ガスでびっしょりと濡れている。テント一式は私が担ぐ係で有ったが、Y城さんに濡れたフライを渡すも拒否された。が、ありがたくもポールを持ってくれた。年寄には優しい人である。最初の目的地の茂倉岳を目指し、7時56分頃に到着する。8時30分には一ノ倉岳。ここからは夏道は岩場が続く、今年は雪が少なく岩場に薄く被った雪では体重を支えられずにずるずると1mは滑って行く、そのまま落ちたらあの世である。何とか危険地帯を超えてホットする。9時56分にはオキの耳、1時9分にはトマト、後を振り返ると雪庇が崩れて谷に落ちていくのが見えた。10時15分には分岐に着く、天神尾根からは多数の登山者が登ってくる流石に初級の雪山である、我々は西黒尾根に向かう。
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急斜面であるが雪が緩んでいる状態なのでズボズボと制御が効いて怖さは無い。これが凍っていれば怖さ100倍である。雪庇を超えて、痩せ尾根を越えていくといきなりの鎖場。迂回を考えたがトラバースの方が恐いとの事で鎖場を降りる。ほとんど雪が無く、まるでアイゼントレである。更に下山するとルートが曖昧な箇所に着く。最初は鎖場のルートと思ったが中途半端に雪が有り、ピッケルをさしても刺さらない。仕方なく推定50度の斜面を下る事にした。雪はズルズルと滑る箇所も有ったが思いのほかピッケルが効いて安心して下れた。そのような個所を繰り返し下山する。流石は西黒尾根である。やっと樹林帯の入りアイゼンを外す。しばらくすると雪が無くなる。後は1月の救助隊訓練の時に無くしたY城さんのアイゼンを見つける仕事が残っている。
ここだ、あそこだと言っていたが見つからない。しかし、もう見つけるのは無理と思っていたアイゼンが主が探しに来るのを待っていた。無事回収である。13時50分に西黒尾根の登り口に着く。後はフキノトウを探しながら土合駅に向かう。土合駅で車を回収していつもの温泉に入った。